Amazon物販で利益を拡大していくには、Amazonの手数料に対する理解を深める必要があります。
そこで、今回はAmazonの分かりにくい手数料をキチンと理解して、利益拡大へと繋げていく方法を紹介します。
自分に合った利益の出し方でAmazon出品プランを選ぼう
Amazonでは小口出品と大口出品の2つから出品プランを選択します。
小口出品と大口出品では手数料が違うので、ご自身のAmazon運営スタイルに合った出品プランを選択しないと手数料を余計に払ってしまうことになります。
この項では、小口出品と大口出品の手数料の違いを比較します。
コツコツ利益を出すならAmazon小口出品
手始めに小規模でAmazon物販を始めたい方が選択すると良い出品プランです。
- 毎月商品49点まで販売する人向け
- 1個商品が売れる度に100円の基本成約料と販売手数料が発生
- Amazonに商品ページが存在する商品のみ出品できる ※オリジナル商品などは不可
- 商品の出品は1つずつ手打ちで登録
本格的に利益拡大を目指すならAmazon大口出品
本格的にAmazon物販で利益を挙げたい人が選択すると良い出品プランです。
- 毎月商品50点以上販売する人向け
- 月額料金4,900円(税抜)に加え、1個商品が売れる度に販売手数料が発生
- Amazonに商品ページが存在する商品だけでなく、オリジナル商品なども出品できる
- CSVファイルをアップロードすれば大量の商品を一括で出品できる
Amazon物販において利益の出るプランの選び方
大口出品では月額料金が4,900円(税抜)かかりますが、1個商品が売れる度に発生する100円の基本成約料がかかりません。
そのため、月間50商品以上を販売する出品者は大口出品プランでAmazon物販をすると良いでしょう。
また、大口出品プランではデータ分析レポートやAmazonスポンサープロダクト(Amazon内の広告サービス)が利用可能で、出品者に対するサポート体制が備わっています。
AmazonではFBAやカテゴリーによって利益が変動する?
Amazonでは売れた商品のカテゴリーによって、手数料が変動します。
つまり、カテゴリーによっては利益が薄くなってしまいます。
この項ではカテゴリー毎の手数料の違いを紹介します。
Amazon出品者が受け取れる利益はFBAやカテゴリーで変動
販売価格 – 販売手数料 – 100円(基本成約料 ※小口出品プランのみ) = 出品者が受け取れる金額になります。
FBA(Amazonの発送代行サービス)を利用する場合はさらに手数料が発生します。
また、特定のカテゴリーの商品には別途、カテゴリー成約料もかかります。
Amazonにおけるメディア商品で利益から考慮すべき手数料
書籍、ミュージック、DVD、VHSはAmazonにおいてメディア商品と呼ばれます。
このメディア商品が売れると、別途カテゴリー成約料として以下の金額の手数料が発生します。
- 書籍 80円
- ミュージック 140円
- DVD 140円
- VHS 140円
カテゴリーによって変わるAmazon販売利益への影響
売れた商品のカテゴリーによって率は変動しますが、販売価格の数%が販売手数料として徴収されます。
カテゴリー毎の販売手数料は以下の画像の通りです。
Amazon物販での利益拡大に欠かせないFBA
Amazonでの利益拡大にはFBAの利用が欠かせません。
ですが、FBAは便利な反面、手数料が余分に発生することを理解しておかないと失敗してしまう可能性もあります。
この項ではFBAを利用すると発生する手数料を紹介します。
FBA活用で販売数を増やしてAmazonの利益拡大!
FBAを利用して、Amazonの物流拠点(フルフィルメントセンター)に商品を預けるだけで、商品の保管から注文処理、配送、返品に関するカスタマーサービスまで代行してもらうことも可能です。
FBAを利用すると当然ですが、手数料が加算されます。
そのため、1つあたりの利益は減少してしまいますが、物販において手間のかかる作業を代行してもらえるので、かなりの時間削減になります。
FBAを利用すると結果として、利益を挙げるのに重要な仕入れに大きく時間を割けて、1日に捌ける商品の数も増えるので利益増大を望むことができます。
尚、FBAを利用すると以下の5つの手数料が発生します。
・ 配送代行手数料
・ 在庫保管手数料
・ FBA梱包準備サービス
・ 長期在庫保存手数料
・ 返送・所有権の放棄手数料
Amazon販売利益にも影響!FBA利用にかかる手数料内訳
配送代行手数料
商品のピッキング、梱包、出荷にかかる手数料で、商品1個あたりに発生します。
配送代行手数料の詳細は以下の画像の通りです。
「商品のサイズ」によって手数料が決まり、商品サイズが小さいほど出荷作業手数料は安く済みます。
小型・軽量商品に関して、メール便サイズの低単価商品(単価1,000円以下)は、FBA小型・軽量商品プログラムの対象条件を満たしている場合、通常よりも低価格な配送代行手数料でFBAを利用できます。
小型・軽量商品の配送代行手数料の詳細は以下の画像通りです。
FBA利用ではAmazon倉庫の場所代も含めた利益設定が必要
FBAを利用すると、Amazon倉庫に商品を納品することになります。そのため、Amazon倉庫の場所代を支払わなくてはなりません。在庫保管手数料はその場所代にあたる手数料です。
商品を納品してから出荷されるまでの日割計算で手数料が発生します。
詳細は以下の画像の通りです。
在庫保管手数料は商品の体積が大きいほど高くなるので、サイズが大きくて売れるまでに時間のかかる商品を取り扱う場合は、仕入れと納品のタイミングに注意が必要です。
FBA利用は実際にAmazon物販で有効なのか?
この項では、FBA利用で商品が売れたら、いくら手数料がかかるのかを実例を交えて紹介します。
FBA利用によるAmazon販売利益への影響
FBAを利用して物販しているのにもかかわらず、商品が1つも売れなかった場合は以下の代金と手数料がかかります。
- Amazon倉庫まで商品を納品するのにかかる配送料
- 在庫保管手数料
納品時の配送料は、利用する運送業者や一度に送る商品の数(梱包の大きさ)によって変わるので、ご自身で配送料を調べて下さい。
在庫保管手数料は、CD1枚の場合1ヶ月で2円、DVDで3円ほどになります。
CDやDVDは1枚あたりに換算すると大した金額ではありませんが、100枚単位で納品して売れ残りが続くと在庫保管手数料がかさんできます。
Amazon物販でFBAを利用した場合の純利益
ここでは仮に、FBA利用で「3,240円のCD」が1枚売れた場合に実際に掛かる手数料を計算します。
CDが売れた場合には以下の手数料が発生します(税込)。
- 販売手数料: 486円
CDやレコードの販売手数料は商品代金の15%になります。
3,240円×0.15=486円
- カテゴリー成約料: 140円
CDはメディア商品なのでカテゴリー成約料が発生します。
- 配送代行手数料: 288円
CDは小型・標準サイズ商品なので一律288円の配送代行手数料が発生します。
手数料の合計は914円になります。
そのため、実際に手元に残る金額は、3,240円-914円=2,326円です。
さらにここから、仕入れ値と在庫保管手数料を日割り計算して、差し引いた金額が純利益となります。
FBAを利用してAmazon物販での利益を拡大する考え方
FBAを利用すると余分に手数料が発生するため、利益率は下がってしまいますが、発送作業が半自動化します。
なので、FBAを利用してAmazon物販で利益を拡大するには利益率よりも、回転率を重視するように考え方をシフトしていくべきでしょう。
FBAを利用すると、時間が削減できるのでその分仕入れに時間を割けるようになります。
その時間を利用して、薄利でも回転率の良い商品を大量に仕入れることのできる仕入れ先を探すことに集中しましょう。
薄利多売という考え方が備われば、Amazon物販でより利益を拡大できます。
利益拡大に欠かせないAmazonのFBA料金シミュレーター活用法
AmazonセラーセントラルにはFBA料金シミュレーターというツールが存在します。
FBA料金シミュレーターを使えば前項で行った手数料の計算を瞬時に実行してくれて、仕入れの上限金額を算出することが可能です。
赤字になる商品を仕入れてしまわないためにも、FBA料金シミュレーターを十分に活用しましょう。
この項では、FBA料金シミュレーターの使い方を紹介します。
FBA料金シミュレーターは以下のURLから利用できます。
FBA料金シミュレーターでのAmazon販売利益の出し方
ここでは「namie amuro 5 Major Domes Tour 2012 ~20th Anniversary Best~ [DVD]」を対象商品として、FBA料金シミュレーターで仮想の利益を算出します。
対象商品の商品ページから、JANコードをFBA料金シミュレーターの検索窓にコピペして「検索」をクリックします。
「商品価格」には想定する販売価格を入力しましょう。ひとまず、Amazonでの現在価格を入力します。
「商品価格」の下には、FBA倉庫への納品にかかる費用や各種手数料が自動的に計算されて表示されています。
「販売された商品の原価」には仕入れ値を入れて下さい。ここでは仮に2,000円で仕入れることにします。
このDVDを2,000円で仕入れて6,433円で売ると、2,938円の利益になることが算出されます。
AmazonのFBA料金シミュレーターで利益の出る仕入れ値を算出
FBA料金シミュレーターの「販売された商品の原価」に0を入力して下さい。
こうすることで赤字と黒字の境目の仕入れ金額、つまり仕入れの上限金額が分かります。
このDVDはFBA利用では、4,938円以下で仕入れないと赤字になります。
FBA料金シミュレーターでAmazon物販の利益確保
Amazon物販の仕入れをする際には、十分な利益を確保するためにFBA料金シミュレーターで事前に利益計算を行いましょう。
仕入れた商品を出品後、価格競争に巻き込まれることも予想して、FBA料金シミュレーターの「商品代金」の部分にはFalconを参照に安めの値段を付けておいた方が賢明です。
AmazonでFBAを利用しつつ利益を拡大するには?
Amazonに出品する際、工夫をすることで手数料を抑えて利益を拡大することが可能です。
この項では、Amazonで手数料を抑えるテクニックを紹介します。
FBA利用等で大きく利益に影響するAmazonの手数料
- 販売手数料
- カテゴリー成約料(メディア商品のみ)
- 配送代行手数料(FBA利用時)
- 在庫保管手数料(FBA利用時)
- FBA梱包準備サービス(FBA利用時)
- 長期在庫保存手数料(FBA利用時)
- 返送・所有権の放棄手数料(FBA利用時)
- 基本成約料(小口出品プランのみ)
- 月額料金(大口出品プランのみ)
Amazonで物販を行うには、これだけ多種の手数料を支払う必要があります。
販売手数料は、カテゴリーによって大きく異なり、概ね商品代金の8〜15%(Amazonデバイス用アクセサリは45%)になります。
Amazon出品での利益拡大にはFBA利用等の手数料節約がポイント
当然ですが、単純に売上を伸ばせば利益は拡大します。
対して、手数料を抑えることによっても利益を拡大することが可能です。
つまり、同一の商品でもより販売手数料の安いカテゴリーに出品することができれば、その分利益が上がります。
ですが、Amazonは規約上、商品を好きなカテゴリーに出品することが、あまり簡単なことではありません。
Amazonでは1商品1ページという規約があるため、出品しようとしている商品が既にAmazonに出品されている場合は、既に存在する商品ページに出品しなくてはなりません。
Amazon商品のカテゴリー変更により得た利益でFBAが使える?
例えば、ご自身が新規出品をした「アウトドアブランドのマウンテンパーカー」を現在、「服&ファッション小物のカテゴリ(1商品あたりの売上合計が3,000円以下ならば販売手数料12%)」で販売しているのなら、「スポーツ&アウトドア(販売手数料10%)」で販売したほうが手数料を抑えることができます。
もし、出品したいカテゴリー以外で同一の商品が既に出品されている場合は、「オリジナルのロゴやタグを付ける(簡易OEM商品)」、「セット売り」をするなどの工夫をして別商品として出品する必要があります。
見込める利益によってAmazonのFBAをうまく活用しよう
Amazonには1商品につき1商品ページという規約が存在するため、価格競争が起こりやすくなっています。
価格競争に巻き込まれると、かなり頻繁に価格改定を行うことになり、結果的に想定通りの利益を得ることができなくなる可能性もあります。
この項では、最安値での出品が本当に正義なのかを紹介します。
利益になりにくい商品はAmazon最安値で売る
まず、中古品でキズや汚れが目立っていたり、付属品や箱が揃っていない場合には最安値をキープして早めに売ってしまいましょう。
状態の悪いものは価格以外で他の出品者と差別化することができません。
また、自分以外にも多くの出品者が出品している商品も最安値を付けないと、出品者の一覧ページの1ページ目をキープできません。
2ページ目以降になると購入される可能性がグッと下がってしまうので、このような最安値を付けましょう。
もしくはこのような商品は最初から仕入れない方が無難かもしれません。
FBA発送のAmazonプライム対象品で利益につなげる
価格面以外で他の出品者と差別化を図れば、最安値でなくとも商品を売ることができます。
中古品の場合は、付属品や箱がすべて揃っていること、商品のコンディションが良ければ最安値でなくとも売れる可能性が高いです。
新品の場合でもプライム対象商品になっていると、最安値でなくとも売れる可能性が高くなります。
プライム対象商品は、ほぼFBA発送なので「Amazon.co.jpが発送します」という文言が表示されるため、購入者への安心感に繋がります。
また、FBA発送ということで、必然的に梱包/発送関連のトラブルがほぼなくなるので、店舗評価も高い水準をキープしているでしょう。
購入者がプライム会員なら配送料やお急ぎ便も無料です。
プライム対象商品でなくとも、即日発送や配送料無料に対応していれば最安値でなくとも売れる可能性は上がります。
自分の商品が価格面以外で、他の出品者と差別化できる場合はアマテラスなどを参照して、最安値よりも少し高い価格帯で売れる金額を設定しましょう。
Amazon物販成功の鍵!FBA利用で利益拡大を目指せ
- 最低でも出品者一覧ページの1ページ目に載せる
- 他の出品者を出し抜けるギリギリの価格設定を見極める
- FBAを利用して、自分の商品をプライム対象商品にする
特に新品の場合は価格面が重要視される傾向が強いので、価格競争に参戦しないと売れるのに時間がかかる可能性があるのは事実です。
ただし、競合している出品者の商品がプライム対象でないと、プライム対象商品の方が優先されることも多いです。
商品の回転率は重要ですが、最安値でなくとも十分な回転率をキープできる価格設定が可能な商品は探せばあります。そのあたりは、Falconを参照にしてリサーチしていきましょう。
Amazon物販のFBAを利用した利益拡大 まとめ
Amazon物販で商品が売れると、様々な名目の手数料が発生します。
Amazonの手数料体系は複雑です。FBAを利用するとさらに複雑化します。
なので、手数料を理解せずにどんぶり勘定をしていると、想定外に利益が少なくなってしまう可能性も少なくありません。
FBA料金シミュレーターを利用し、適切な価格で仕入れて、適切な価格で販売しましょう。