Amazon物販をビジネスとして成立させるには、基本的にかなりの出品数が必要になります。
そのため、効率的に在庫管理を行える状態を作り上げておく必要があります。
在庫管理を効率的に行うにはSKUというコードを上手に活用することが不可欠です。
そこで今回は、SKUの活用方法を分かり易く紹介していきます。
SKUとは?
Amazonに関わらず物販をするには、SKUというコードを用いて在庫管理をすることになります。
この項ではSKUとは何なのかを紹介します。
SKUは最小管理単位のこと
SKUは「Stock Keeping Unit」の略称で、最小管理単位と訳すことができます。
同じ色・柄のTシャツのサイズS・M・Lを在庫として抱えている場合、それぞれのサイズに1つのSKUを割り当てて在庫管理することになります。
SKUは店舗によって変わってもOK
SKUには世界共通の基準があるわけでは無いので、店舗によって在庫管理の責任者が管理し易いように自由に設定して大丈夫です。
例えば、店舗Aではうまい棒をバラ売りしているとすると、店舗Aはうまい棒1本に1つのSKUを割り当てて在庫管理することになります。
対して、店舗Bでは袋にうまい棒10本つめて販売しているとすると、店舗Bはうまい棒10本入りの袋1個に1つのSKUを割り当てて在庫管理することになります。
SKUとJANの違い
SKUはそれぞれの店舗独自の管理コードですが、対してJANは「どのメーカーの、どの商品か」を表す世界共通のコードです。
実店舗では、主にJANで管理している場合が多いですが、値引きなどの価格改定した商品のみSKUで管理する場合もあります。
つまりJANで商品管理をしている店舗では、JAN=SKUとなる場合もあります。
SKUとASINの違いとは?
Amazonにおいて、SKUの他にASINというコードが存在します。
この項ではSKUとASINの違いを紹介します。
SKU(エスケーユー)
AmazonにおけるSKUは出品者用の在庫管理コードです。
Amazonでも前項で説明した実店舗と同じように、出品者が全角13英数文字以内で、独自に好きな管理コードを設定することができます。
SKUの設定は任意なので、特に設定しなければAmazon側が自動で設定します。ですが、在庫管理の際に便利なので、自身がわかりやすように設定することをおすすめします。
ASIN(エーシン)
ASINとは「Amazon Standard Identification Number.」の略で、Amazon上のカタログ番号のようなモノです。
ASINは商品ページごとに設定されています。例えば「おーいお茶」と検索すると下のような検索結果が表示されます。
1本の商品ページ、1ダースや2ダースの商品ページが表示されます。Amazonではそれぞれ別の商品として扱われるため、それぞれの商品ページにASINと呼ばれる文字列をAmazon側が設定しています。
つまりSKUは出品者自身が分かり易く、自ら設定する管理番号で、ASINはAmazon側が付ける管理番号といえます。
親ASINと子ASIN
Amazonでは商品に色やサイズのバリエーションなどがある場合、購入者側からは見えませんが親ASINと子ASINを登録する場合があります。
その場合、子ASINは親ASINに紐づく形で登録されるので、1つの商品ページに複数の色やサイズのバリエーションを表示することが可能になります。
このように、カラーバリエーションごとに商品ページをつくる必要がなくなるのです。
尚、商品のレビューや評価は子ASINの方に紐づけられています。そのため、十分にレビューや評価が集まった後、わざと子ASINごとに商品ページを切り分けて、検索結果への露出機会を増やすというテクニックも存在します。
SKUを設定することのメリットとデメリット
SKUを設定することで在庫管理はしやすくなりますが、実はデメリットも存在します。
この項ではSKUを設定することのメリットとデメリットを紹介します。
基本的なSKUの設定方法
yyyymmdd-001
yyyymmdd-002
yyyymmdd-003
多くの出品者が日付によるSKUを採用するでしょう。
「yyyymmdd」の「y」は西暦、「m」は月、「d」は日にちを示しています。つまり何年の何月何日に仕入れた商品を連番でSKU設定して在庫管理をする方法です。
この設定方法のメリットは、商品が売れた際に仕入れから何日経過しているかが即分かるので、その商品が回転率の良い商品かどうかが分かり易くなります。
応用的なSKUの設定方法
日付以外にも情報を追加して、出品者だけが理解できる管理コードにすることもできます。
例えば
yyyymmdd-N-001 ※N=new
yyyymmdd-U-002 ※O=used
とすることで、SKUから新品と中古を識別することができます。
また
yyyymmdd-Y-001 ※Y=ヤマダ電機
yyyymmdd-B-002 ※B=ブックオフ
とすることで、SKUから仕入先を識別することもできます。
さらに
yyyymmdd-Y-3000-001
yyyymmdd-B-1200-002
というように仕入値を設定することで、売れた際に利益をすぐ把握することもできます。
SKUを設定することのデメリット
SKUは納品書に載るので、安易な表現で設定すると不要な情報を購入者に与えることになってしまいます。
例えば
20180121-yamada-3000-001
と設定すると、2018年1月21日にヤマダ電機で3000円で買ったものを転売していることが丸分かりになってしまいます。
そのため、安易過ぎる表現は避けるべきです。ヤマダ電機をYと表現するなどした方が良いでしょう。
SKUの実際の運用方法
この項では実際の在庫管理画面で、どのようにSKUを運用すればよいのか紹介します。
在庫管理画面でのSKUの表示のされ方
画像のように、在庫管理画面のSKUの欄に自身が設定したIDが表示されます。
日付を検索窓に入力すれば、その日に仕入れた商品が一覧で表示されます。
おすすめのSKUの設定方法
前述の通り、仕入れ先や仕入値、新品か中古かの分別もSKUに盛り込むと良いでしょう。
日付と同様に、これらの情報を検索窓に入力すると絞り込みが可能になります。
自身が管理しやすいようにSKUを設定しておけば、年度末などの棚卸し作業が効率化できます。
また、まとめて価格改定を行うときにも便利です。
SKU運用上の注意点
便利だからといって、あまりにSKUに情報を盛り込みすぎると、在庫充填の度に煩雑な作業が増えてしまいます。
さらには、前述の通りSKUは納品書に載るので、購入者に余計な情報を与えかねません。
SKUを自動生成するには?
SKUを毎回入力するのが面倒な場合には、自動で入力する方法も存在します。
この項ではSKUを自動生成する方法を紹介します。
Excelに計算式を入力して自動生成
仕入れ日、仕入額などを入力すれば、SKUが自動生成できるような計算式をExcelに入力しましょう。
Amazonから無償で提供されているツールを使えば、Amazon上にExcelのデータが取り込めるようになります。
無料ツール「出品君」
無料配信されている出品君というツールを使えば、日付+連番でSKUを自動生成することが可能です。
加えて、商品説明文に定型コメントを自動入力することも可能なので、出品作業を効率化できます。
また、ツール上でSKUを生成した順にラベルを出力可能です。
有料ツール「せどりすとプレミアム」
ツール内にあらかじめプリセットされているコードを組み合わせることで、SKUを自動生成するフォーマットをつくることができます。
以下のコードがプリセットされています。
{asin}:ASIN
{ean}:EAN(JAN)コード
{barcode}:商品を読み取った際のバーコード
{yyyy}:西暦
{mm}:月
{dd}:日
{category}:カテゴリ
{stockId}:識別番号
{stockPrice}:仕入れ値
{cond}:コンディション
{displayPrice}:出品価格
{quantity}:仕入れ個数
{storeCode}:店舗コード
かなり詳細なSKUを自動生成することができます。
せどりすとプレミアムはSKUを自動生成する機能だけでなく、そもそも商品検索ツールとして有能です。
商品のバーコードを読み取るだけで、粗利を自動で計算してくれるので、店舗せどりを行う上での必須ツールとなっています。
SKUによる在庫管理の考え方
SKUを設定しておけば在庫管理が楽になりますが、何も考えずに設定するとかえって管理がやり難くなってしまいます。
この項ではSKUによる在庫管理の考え方を紹介します。
Amazon物販において管理したい情報を考える
Amazon物販をしている方は利益をしっかり出したいと考えている方が多いでしょう。
そのため、仕入額をSKUに盛り込むと利益計算がやりやすくなります。ただし、購入者に勘付かれないように上手に盛り込んで下さい。
その他にも販売の際に役立つ情報をSKUに盛り込みましょう。
仕入れた際の状況を思い出せるように設定する
仕入値の他に、仕入先や個数をSKUに盛り込めば、仕入れた際の状況を思い出せるようになります。
売上げが伸びていくに連れて、扱う商品数や仕入先も増えることでしょう。
仕入れた際の状況を思い出せる用にSKUを設定しておけば、利益の取りやすい商品とその仕入先が、ひと目で分かるようになります。
SKUには統一性を持たせる
SKUには統一性を持たせるために、自身であらかじめフォーマットを決めておきましょう。
「日付-仕入先-値段」というようにフォーマットを一度決めたら全ての商品に対して、同じフォーマットでSKUを設定して下さい。
間違っても、「仕入先-値段-日付」や「値段-日付-仕入先」といった異なるフォーマットを混雑させないように注意しましょう。管理画面で見難くなってしまいます。
出品済みの商品と同じ商品を出品する際のSKUの扱いとは?
新たに商品を出品する場合は、その商品の仕入れの状況が分かるようにSKUを設定すれば良いだけです。
ですがAmazonの規約で、「同じ商品には1つのSKUしか設定してはならない」という決まりがあるため、後から同じ商品を出品する際のSKUの扱いに困る方もいらっしゃるでしょう。
この項では後から同じ商品を出品する際のSKUの扱いについて紹介します。
同じ商品でもコンディションが違えばSKUは別でOK
たとえ同じ商品でも、コンディションに違いがあれば別のSKUを使ってもAmazonの規約上OKです。
そのため例えば、同じカメラを「新品・非常に良い・可」の3つのコンディションで仕入れたとすると、3つのカメラについてそれぞれ出品作業が必要で、それぞれにSKUは変えて大丈夫です。
それぞれSKUの一番最後に「-N(新品)」、「-H(非常に良い)」、「-K(可)」を付け加えると良いでしょう。
2個目以降の出品作業を行おうとすると、画像のように既存の出品情報の個数を編集するように促されます。
ですが、コレはあくまでコンディションが同じ場合の話なので、コンディションが違う場合には気にせず別の商品のように出品しましょう。
コンディションが同じでもセット内容が異なるならSKUも別
コンディションが同じでもセット内容が異なる場合は、SKUは別にしましょう。
例えば、先ほどのカメラを「可」のコンディションで2個仕入れたとします。片方がカメラ本体のみで、もう一方はカメラ本体に加えて充電ケーブルと説明書も同梱できる場合は、それぞれ別商品として出品してSKUも変えましょう。
それぞれのSKUに「-K-01」、「-K-02」などと付け加えて識別しましょう。
しかし、これを同じ商品ページに出品してしまうと、Amazonの「同じ商品(同じコンディション)には1つのSKUしか設定してはならない」という規約に触れてしまうため、別の商品ページで出品する必要があります。
もしくは多少、無理矢理ですが充電ケーブルと説明書も揃っている方を「良い」、カメラ本体だけの方を「可」として出品しても、Amazon規約上の問題をクリアできます。
コンディションが全く同じ場合
コンディションが同じ商品を、後から在庫充填する場合は新たに出品作業をする必要はありません。
既存の出品情報を編集して在庫数を変更すればOKです。
この場合は、同じSKUの商品を出品したわけではなく、単に在庫を充填しただけなのでAmazon規約上、何の問題もありません。
AmazonでのSKUの活用法 まとめ
ビジネスとしてAmazon物販を行うには在庫管理をしっかり行わなくてはなりません。
しっかりと在庫管理を行っていくには、SKUに必要な情報を盛り込むのが良いでしょう。
いくら商品が良く売れても、在庫管理がずさんだと利益計算が適切に行えなかったり、下手をすれば購入者からのクレームに繋がりかねません。
SKUを上手く活用して、Amazon物販の利益を積み上げていきましょう。